知ることで、より楽しめる!
さて、楽曲解説記事を充実させていきたいと思います!
今回は3/31(日)のコンサートでも演奏するアントニオ・ホセのソナタ(1933)。
今日は埼玉の友人に練習を聴いてもらいました。
ダンベルの前でクラシックギターを弾くっていうなかなかシュールな絵(笑)
弾いてるのはアントニオ・ホセのソナタ。4か所抜粋してみました!
(Ⅰアレグロ・モデラート、Ⅱメヌエット、Ⅲ悲しきパバーナ、Ⅳ終曲) #クラシックギター #ソロギター pic.twitter.com/CqYVyGId3N— 伊藤亘希 Koki Ito@3/31市川 (@yahatakoki) 2019年3月28日
激動の時代
アントニオ・ホセ(1902-1936)はスペイン・ブルゴス生まれ。
20世紀初頭の大戦間という混沌、激動の時代を生きた作曲家です。
ブルゴスはここ!
故郷ブルゴスで仕事をしつつ、主にスペイン国内で活躍しましたが、
パリにも足を運んでいたようです。
様々な芸術家と親交があり、例えば音楽家だとマヌエル・デ・ファリャ、
ギタリストのレヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ、
画家のサルバドール・ダリ、
パブロ・ピカソ、
そして、詩人の
フェデリコ・ガルシア・ロルカ。
早すぎる死
モーリス・ラヴェル(1875-1937)はアントニオ・ホセについて
「20世紀を代表するスペイン人音楽家になるだろう」と称賛しています。
将来を期待されていましたが、
スペイン内戦時にファランヘ党員によって拷問の末に虐殺されてしまいました。
もし彼が生きていたらどれほどの作曲家になっていただろう・・・
と残念に思います。
ギターのための大規模なソナタ!
そもそも、1930年当時はどんな曲があったのか?
アンドレス・セゴヴィアが活動を始めてはいたものの、
まだまだギターのコンサートレパートリーは少ない時代でした。
この頃(20世紀初頭)の重要な作曲家でアントニオ・ホセと関連が深いのは、
クロード・ドビュッシー(1862-1918)
交響詩<海>(1903-1905)
モーリス・ラヴェル(1875-1937)
ソナチネ(1905)
それから、先ほども名前を挙げた、スペインのマヌエル・デ・ファリャ。
恋は魔術師(1915-1925)
(ほかにも色々書きたいですがキリが無いので割愛します)
音楽史上重要な作曲家ばかりです。皆様も名前を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、
ファリャの「ドビュッシー讃歌(1920)」という短い曲を除けば、
彼らは残念ながらギターのための曲を書いていません。
そんな中、突然生まれた20分超、全4楽章のギターソナタ。
上に挙げた作曲家たちに
「ギターでもこういう大曲が書けるんだぞ!」と示しているようでは
ありませんか?
再発見
この「ギターのためのソナタ(1933年作曲)」、
レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサのために書かれましたが、
残念ながら彼は1度きり、第1楽章しか演奏せず。
それ以来ずっと日の目を見ないままで埋もれており、
1980年代になってようやく再発見され、その後出版されました。
それ以来、人気レパートリーであり続けています。
そんな不遇の作曲家による、挑戦的なギターソナタ。
是非お楽しみください。
13:30開場 14:00開演
会場:青ねこスタジオ(千葉県市川市)
千葉県市川市市川1-9-2青山ビル4F JR中央・総武線 市川駅北口より徒歩1分
前売り2,000円 当日2,500円
プログラム
5つの前奏曲より5番(H.ヴィラ=ロボス)
ロンド・カプリス「村の祭り」(G.レゴンディ)
幻想曲第7番Op.30(F.ソル)
全ては薄明の中で(武満徹)
ソナタ(A.ホセ)
※プログラムは変更する場合があります。
ご予約はこちらのホームページ問い合わせフォームでも受け付けています↓
おわり
伊藤 亘希(いとう こうき)
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