Frank Hillのギター教本

ギター

 



 

今学期から教授法Fachdidaktikという授業を取っていて、

週一で生徒に(あくまで授業の一環で)レッスンしています。

 

 

そこで、最近いろいろドイツのギター教本 Gitarrenschuleをチェックしているのですが、

指導法の教授に薦められたのがこれ。

 

Frank Hill というドイツのギタリストによるギター教本。(これは2巻)

 

 

特筆すべき点を挙げると、

 

 

①ほぼ全部オリジナル曲

 

著者の作曲で、無理が無く覚えやすいメロディーの曲が多い。

古典風、ヨーロッパの民謡風な曲はもちろん、

スペイン風、中国風と題された曲があったり、飽きないと思います。

 

 

もちろん知っているメロディーのほうが、とっかかりやすいですが、

つい記憶を頼りに弾いてしまって譜読み間違いをしてしまいます。

初めて聴く曲のほうが、譜読みのいい練習になる、

ということを考えて作られた教本だと思います。

 

 

 

最終章は「選択科目」と題されて、

ルネサンス~現代の短い曲(オリジナル曲は少なめ)が色々載っています。

この「選択科目」の章も面白くて、

現代曲、南米など→ロマン→古典→バロック→ルネサンス、という順番で

曲が紹介されています。最後のほうはガスパール・サンスやダウランドが載っています。

 

 

 

②imの交互アポヤンドは・・・

 

右手の学習過程について。

他の本だと、

imの交互アポヤンドを初歩の初歩で学ぶことが多いと思います。

 

 

 

しかし、

この本ではまずp指で⑥~③弦メロディーを弾くことを重点的にやり、

その間、

i,m,aはそれぞれ③、②、①弦上に置いておくように指示されています。

 

 

 

そして、使う指を
p+i
p+i+m
p+i+m+a(全部)

というようにだんだん増やしています。

 

 

 

こうすることで、

安定した自然な右手のフォームを保てるようにしているんですね。

imの交互アポヤンドが出てくるのは1巻の最後のほう。

 

 

 

 

他にもいろいろありますが、この辺で。

子供(5、6歳~)向けに書かれていますが、

大人向けのレッスンでも十分使える教本だと思います。

 

 

 

1995年の出版ですが、近いうちに改訂版が出るそう。

改訂版を買って、日本に持って帰ろうと思います。

 

おわり


 



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伊藤 亘希(いとう こうき)

脱サラ系クラシックギタリスト、ドイツへ行く。

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