ドイツで路上ライブをして考えたこと

小ネタ

日本は台風大変みたいですね・・・皆様くれぐれも安全第一で。




今日は、

ドイツでクラシックギターで路上ライブした結果、

どうだったか?ということを書こうと思います。

 

そこら中で演奏中


ワイマールでも隣町のエアフルト(Erfurt)でも、

人の集まるところはよく路上演奏家(Straßenmusikant)がいます。

 

 

一番多い楽器は何だと思いますか?

 

 

なぜかアコーディオンなんですね~

次にギター弾き語り、その次にヴァイオリン、管楽器など。

土地柄、クラシック系の演奏家が多いです。

 

 

準備


そこで私も挑戦してみました!

はたしてクラシックギターは受け入れられるのか・・・?

 

 

生音だとさすがに厳しいので、こちらを使用しました。

ローランドの電池駆動アンプ。音量は充分です。

 

 

これに安物のコンタクトマイク(前から持ってました)をつないで・・・

いざ!

 

 

 

動画あります


なんと動画があるんですねー

 

 

こちら!


エアフルト・クレーマー橋の入り口にて

友人に協力して撮ってもらいました。

カヴァティーナ(マイヤーズ)を演奏しているところです。

 

 

他には、ニュー・シネマ・パラダイス(モリコーネ)、

森に夢見る、郷愁のショーロ、ワルツ3番(バリオス)

アルハンブラの思い出(タレガ)、

セレナーデ(シューベルト)など色々演奏しました。

 

 

みんな優しい


けっこう立ち止まって聴いてくれて、拍手してくれたり、

「僕もクラシックギターやってるんだよ!トレモロ上手いね!」

などと声をかけてくれたりして、楽しい路上ライブとなりました。

 

 

そしてなんと、入れてくれた小銭の額は1時間につき10€(1200円ほど)になりました!

「美しい音楽をありがとう!」と言ってお金を入れてくれる人が多く、感激です。

(上の動画では誰も入れてくれていませんが・・・本当ですよ!)

今まで何回かやって、警察に止められたことは一度もありませんでした。

 

 

しかし・・・


ワイマールでは実はアンプを使うのは禁止されている・・・ということが

後々わかったので、そのあとはエアフルトのみでやりました。

あとは、20分おきに場所を変えないといけない、というルールもあります。

まあ禁止されてないだけありがたいですね。

 

 

人はなぜ路上演奏家に寄付するのか?


日本と比べてどうこう、ということはあまり言いたくないのですが・・・

ドイツで路上演奏に寛容な理由は、

①路上という公共スペースのルールの違い

②音楽にお金を払うべきという意識がある

③「寄付」の文化が根付いている

という3点から、日本との違いを含めて捉える必要があるなぁ、感じました。

以下、それぞれについて考察したいと思います。(長くてすみません)

 

 

①路上という公共スペースのルールの違い

日本はそもそも人口密度が高く、道路が狭い

→なので公共スペースが少なくなる

→公共スペースのルールを厳密に定めなければならない

という状況が影響していると思います。

 

でもドイツもルールは厳しいんですけどね・・・

(例:Ruhezeitといって、騒音一切禁止の時間がある。だいたい昼休みと日曜日)

なのでこれだけでは説明できないと思います。

 

 

②音楽にお金を払うべきという意識がある

これは音楽界ではさんざん議論されていることかと思います。

日本でもドイツでも状況はあまり変わらないかと思いますが・・・

 

例えば、

・日本はBGMが多い、ドイツは少ない(日本はあらゆる店内でBGMが流れている、

商店街とかでも平気でスピーカーからBGMが流れていたりする)

ということも関わっていそうです。

「こんなに街中は音楽で溢れているのに、なぜ路上演奏家が必要なのか?」ということです。

 

 

③「寄付」の文化が根付いている

寄付をすることは神に愛される行為、というキリスト教の考え方です。

 

また、

アメリカの哲学者ジョン・ロールズJohn Rawlsは、

「能力は個人のものではなく社会の共有財産である」と自著「正義論」に記しています。

つまり地位、才能、生まれた土地などは「たまたま」与えられただけであって、

それを私的に所有できる理由はないという考え方です。

これは明らかにキリスト教的価値観から来ており、寄付の動機となりうると思います。

 

さらに、

最近ではよく「ノブレス・オブリージュ」という言葉を見かけるようになりました。

ノブレス・オブリージュは「社会的規範」という考え方が基になるため

上記のロールズの意見とはまた違った形になりますが、寄付の動機となることは変わりません。

 

まとめ


もちろん、「日本もドイツみたいになるべきだ」という単純な話ではありませんし、

自分の中でも、だからどうするべきなのか、というのはわかりません。

しかし日本とドイツという異なる社会の構造を

「路上ライブ」という側面から考察できて、また1つ考えが深まった気がします。

 

 

おわり

 


 



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伊藤 亘希(いとう こうき)

脱サラ系クラシックギタリスト、ドイツへ行く。

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